歴史学についてのメモ
PARS TODAY.2018年10月21日考古学に関する記事についての提言
イランの発展を願って言わせてもらいます。
米国の歴史学に関係する学問水準は高度化する基盤をもちません。
その理由は、歴史学の研究を進めるなら、必ず資本主義の思想と対立せざるを得なくなるからです。(*1)
下の記事のように、その米国の考古学と記事掲載の学者があたかも権威者のごとく扱うことは、間違った考えから来ているのではないでしょうか。
歴史学及び諸学問の発展史を正しく掌握するためには、エンゲルスの「猿が人間になる労働の役割」「国家私有財産の起源」を熟読する必要があるでしょう。(*2)
もちろんこの本が書かれてからの発見などは記されてはいませんが、基本的な歴史の流れと、その流れを「正しく」捉えるための重要な要件は示されています。
ですからイラン学者は必ず熟読するように推進しなければ、諸学問の急速発達はありえないでしょうし、従ってイランの急速発展も図れないはずです。
米国の歴史的発見に関するこれまでの報道を見ると、発見当事者の発言からして、当該著作を読んでいないことが明らかにしめされています。(*3)
なぜなら、その発見された物の属性(質量・形式)に関して示されることは当然なこととして、しかしその発見が、その本が示している「歴史の流れを『正しく』捉えるための重要な要件」を跡付けているだけのことなのに、あたかも「発見の重要な意味」かのように考え、またそれを発言することで、その本を読んでいないことが示されるからです。
さらに「米国の歴史学に関係する学問水準は高度化する基盤をもたない」といえるのは、「歴史の流れを『正しく』捉えるための重要な要件」を知らないため、自らの考古学(歴史学とそれに関わる諸学史など)を正しく跡付けることができないし、正しい評価基準も成立しないし、正しく記述できないし、学問蓄積もできないからなのです。
(*1)ダーウインの進化論を異常な程批判している著作がおおい。それは1、キリスト教聖書特に旧約の記述に反する内容だからという理由だけに限らず、2、生物一般についての生成から変化発展をへて死(消滅する)過程を解明記述されているからで、さらに、3、そこに示されている歴史というものの捉え方が示されているからだ。さらに加えて、4、その捉え方を支えている思想が資本主義の思想に合致しないためである。
(*2)もちろんな事、エンゲルスのその著作だけが歴史を正しく捉える要件を示しているわけではない。マルクスやエンゲルスが正しく歴史を捉える「学」を学んだのは、ヘーゲル歴史哲学(と言われる)の著作からだ。しかしマルクスとエンゲルスはヘーゲルの著作には欠点(間違い)があることに気づき、その点を研究して改め、新たに唯物論的に改変して発展させたのであって、歴史を正しく知るためにヘーゲルから学ぶ方法もある。またそれらから研究して、その学(諸学史として)を示している著作もある。
(*3)歴史学は、諸学問別の発生から現地点までの進歩発展の過程を示し、そこから次なる課題を類推する学問史をも規定する。ここの記事では考古学として取り上げられているが、米国の歴史を捉える学問の間違いは、歴史学そのものにも見られ議論は定まっていないようだ。従ってされに動植物の発展史においても散見されることになっている。
誤りの甚だしいものは、植物なりが「子孫の生き残りのために~の方法を選んだ」などという記述が見受けられるが、これは暗に植物などが生き残りの方法を選択しうる判断力があり、その判断力を持って選択しえたかのように言う、甚だしい錯誤と決め付けがあるだろう。
そもそも選択ということが可能なのは、1、選択肢を捉えられ、2、それぞれの選択肢の数や内容(質量)を理解でき、3、はじめて判断しうるのであり、4、さらにその判断された時に、5、それを決定しうる時点で、「選択」ということが成り立つのであろう。より厳密には6、1~5を循環的に繰り返す中で徐々に(決定する時は一瞬に思えるのだが)選択しうる決定を下せるのでる。
植物がそのような高度な意識と意識活動過程を持つはずもないだろう。ここには観念が先見的に無条件で存在するかのようにする観念論哲学思想が隠れてあることが分かる。
この観念論哲学(従って実態は主観的観念論なのである)は世界資本主義認定と推奨の哲学であり、世界資本主義が敵対視する唯物論は排除もしくは無視され、冷遇(著作としても研究者学者としても)される。
ダーウインの進化論も、奇しくも唯物論的で弁証法的であったために無視され敵対視されることになっている。
以下記事
アメリカ人考古学者、考古学分野でのイランの発展を賞賛
PARS TODAY .2018年10月21日17時43分
アメリカ人考古学者であるステーファン・J・ケリー(Stephen ・J ・Kelley )氏が、考古学分野でのイランの発展を賞賛すると共に、歴史・考古学的遺跡・遺物の保護におけるイラン人専門家の知識レベルは非常に高いとしました。
ケリー氏は、テヘランで実施された歴史的遺跡の改修・強化に関するワークショップの傍ら、イランプレスとのインタビューで、「20世紀や21世紀に起こった出来事により、遺跡の修復と耐久性の強化が重視されている」と語りました。
また、「今回のワークショップで、全ての文化的遺産や遺跡への同一のアプローチについて話し合いが行われる」としました。
このワークショップは、20日土曜から22日月曜までテヘランで開催されています。